【7月8日 AFP】中国で公開中のハリウッド大作『カンフー・パンダ(Kung Fu Panda)』が公開3週間で興行収入1億3500万元(約21億円)をたたきだし、同国のアニメ映画の記録を更新した。新京報(Beijing News)が8日報じた。

 新京報は、配給会社Huaxiaの話として、同作品は国内で初めて1億元を超える興行収入を記録したアニメ映画だと報じている。

『カンフー・パンダ』は、武術の達人を目指す頼りないパンダを描いた作品。

 国内の批評家は作品のストーリーやアニメーションを高く評価しているが、制作会社のドリームワークス(DreamWorks)は、中国の国宝であるパンダを金儲けに利用したとして非難されている。

 また、公開後はすぐに好意的な意見に圧倒されたものの、作品をボイコットしようとする動きもあった。

 さらにマグニチュード8.0の四川大地震が起こった同国南西部では、世界のパンダの大半が生息する四川(Sichuan)省の「被災者らの感情に配慮して」公開が延期された。

 国内映画関係者の間では、同じようにおもしろい作品をなぜ自国で作れないのか、との反省の声も聞かれる。チャイナ・デーリー(China Daily)紙は映画監督ルー・チューアン(Lu Chuan)の言葉として、「中国はいつになったら同レベルの映画を作れるのだろうと思わずにいられない」と報じた。

 同紙に対しルー監督は、『カンフー・パンダ』は中国文化を従来と異なる解釈で描き、武術映画と伝統をひとつにしたと語った。さらに、映画の制作過程を細かく管理することで制作者の創造性を抑えつけてしまう中国の検閲当局を批判したという。(c)AFP