【6月30日 AFP】米ハリウッド(Hollywood)の映画制作会社は、俳優組合との契約が期限切れとなる30日を前に、ストに備えた態勢を整えている。

 今年の脚本家のストを反映してか、米映画俳優組合(Screen Actors GuildSAG)と映画・テレビの制作者団体Alliance of Motion Picture and Television ProducersAMPTP)との契約更新交渉はこれまでのところ暗礁に乗りあげている。

 エンターテインメント業界メディアによると主要映画制作会社は現在進行中の撮影を30日までに完了させるよう日程を調整済みだという。一方、テレビ制作会社はストに備え、可能な限り撮りだめする方針だと報じられている。

 SAGともう1つの俳優組合であるAmerican Federation of Television and Radio ArtistsAFTRA)のいずれもストについての承認投票を行っていないが、両者は7月に入っても交渉を継続する意向を示している。

 しかし、AMPTPの提案に対しAFTRAが暫定合意したことから問題が複雑化、12万人の組合員を抱えるSAGと7万人強のAFTRAの間で意見が割れている。

 SAG側は、この暫定合意により交渉におけるSAGの立場が弱体化したとし、AFTRAにも籍を置くSAG組合員4万4000人に対し、承認投票で合意に反対票を投じるよう活発に呼び掛けている。

 2つの組合の対立は、AFTRA側に立つトム・ハンクス(Tom Hanks)やケビン・スペイシー(Kevin Spacey)、アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)に対し、SAGを支持するジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)やベン・スティラー(Ben Stiller)といった形でトップ俳優も巻き込んでいる。

 この事態を受けてジョージ・クルーニー(George Clooney)は26日、組合間の対立はスタジオ側の立場を強化するだけだとして結束を呼び掛ける声明を発表した。

 一方、SAGのアラン・ローゼンバーグ(Alan Rosenberg)会長は29日、契約が期限切れとなっても直ちにストに突入する予定は現時点ではないとの意向を示した。(c)AFP