【1月28日 AFP】第14回全米映画俳優協会賞(14th Annual Screen Actors Guild Awards)の授賞式が27日、米ロサンゼルス(Los Angeles)で開催され、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』のダニエル・デイ・ルイス(Daniel Day-Lewis)が主演男優賞に、『アウェイ・フロム・ハー 君を想う(Away From Her)』のジュリー・クリスティ(Julie Christie)が主演女優賞に輝いた。

■急死したヒース・レジャーを追悼

 主演男優賞の受賞挨拶で演壇に立ったデイ・ルイスは、22日に急死した俳優ヒース・レジャー(Heath Ledger、享年28)に「この賞を捧げる」と語った。

「共演した俳優仲間もそうだが、ヒース・レジャーもわたしに再生の感覚を与えてくれた俳優だ。彼の演技は『どうしてこんなことが可能なんだ』と思うくらい感動的だったし、演技を続ける意欲をわたしに与え続けてくれた」

 デイ・ルイスは、レジャーが演じた2001年の『チョコレート(Monster's Ball)』での自殺する息子の役や、2005年の『ブロークバック・マウンテン(Brokeback Mountain)』の同性愛者のカウボーイ役について、以下のように語った。

「『チョコレート』でレジャーは息子役を演じ、父親、自分自身、人生、観客などすべてから一歩身を引く未熟な人物を作り上げた。我々はその人物に恐怖を感じながらも惹かれていた。非常に独特な演技だった」

「『ブロークバック・マウンテン』でのレジャーの演技は完ぺきだった。これまで見たどの作品よりも、あの映画のラストシーンには感動した」

■助演男優賞のバルデム、「言葉にできないくらい感激」

 助演男優賞には『ノーカントリー(No Country for Old Men)』のハビエル・バルデム(Javier Bardem)が選ばれた。バルデムは授賞式で、監督のイーサン・コーエン(Ethan Coen)とジョエル・コーエン(Joel Coen)に敬意を表した。

「作品に起用してくれた上に、わたしが最低な演技をしても良いシーンに変えてくれた。監督には本当に感謝している。受賞できるなんて本当に信じられない。スペイン人のわたしをこんな風に歓迎してもらい、言葉にならない」

 助演女優賞には『アメリカン・ギャングスター(American Gangster)』のルビー・ディー(Ruby Dee)が選ばれた。

 映画俳優協会賞は、その年のアカデミー賞の行方を占うものとして注目されており、過去3年間では、映画俳優協会賞の主演賞を獲得した人物がアカデミー賞の主演賞も受賞している。(c)AFP