【12月12日 AFP】2008年1月13日に開催される第65回ゴールデングローブ賞(The 65th Annual Golden Globe Awards)のノミネートリストがいよいよ13日に発表され、オスカーへ向けた賞レースが本番を迎える。

 テレビや映画に関わる25部門で争われるゴールデングローブ賞は、その年のアカデミー賞の行方を占うものとされている。今回は、複数の部門でノミネートされる強力な候補作がなく、ハリウッド(Hollywood)の評論家たちはノミネートの予測に頭を悩ませている。

■今年は評価が割れる

 コーエン兄弟(Coen Brothers)による『ノーカントリー(No Country for Old Men)』やダニエル・デイ・ルイス(Daniel Day-Lewis)主演で石油王を描いた『There Will Be Blood』などを筆頭に複数の作品が受賞候補に名を連ねているが、米国内の評価は割れている。ジョニー・デップ(Johnny Depp)が主演したティム・バートン(Tim Burton)監督作『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)』も注目を集めている作品のひとつ。

 ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙の映画・音楽賞専門サイトThe Envelope.comの評論家トム・オニール(Tom O’Neil)氏は、他の批評家らによる予想を「ころころ変わる」ものだと論じ、『スウィーニー・トッド』が本年の真のサスペンスだと語った。同氏によれば、これまでは毎年、有力候補の予想はどの映画賞でも同一だったが、今年は賞ごとにバラバラの予測がされているという。

 また同氏は、『ノーカントリー』をゴールデングローブ賞最優秀作品賞の最有力候補と見るが、『There Will Be Blood』に対しては、違う考えを持っている。「『There Will Be Blood』は、風変わりで陰うつで悲観的な作品だ。批評家からは好評だが、感傷的なゴールデングローブやオスカーの票は得られないだろう」

 映画情報サイトMovies.comのルー・ハリス(Lew Harris)編集長は、『ノーカントリー』、『スウィーニー・トッド』、『There Will Be Blood』のデイ・ルイスが有力な受賞候補だと予測する。「賞はたくさんあるが、明確な有力候補はこれらの作品だ。これらがゴールデングローブを獲得できないなんて想像できない」

■主演男優賞はジョニー・デップ、主演女優賞はマリオン・コティヤール?

 主演男優賞候補については、オニール氏もハリス氏も声を揃えてジョニー・デップを上げる。

 オニール氏は、既にアカデミー賞に2度ノミネートされたデップが、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で確実に主演男優賞を取るのではないかと予測する。「ジョニー・デップはすべての主要部門で最も有力だ。彼こそが勝者だ」また、ハリス氏は長いキャリアの中で様々な役を演じてきたデップが、ついに賞を獲得するのではないかという。「デップは近年、多くの映画で好印象を残し、演技もうまく、人気も高いということを示している。長い歴史を誇るゴールデングローブやオスカーでは、徐々に評価を上げている」

 主演女優賞では、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~(La Vie En Rose)』で歌手エディット・ピアフ(Edith Piaf)を演じたマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)を推す声が最も大きい。オニール氏は、「コティヤールは必ずゴールデングローブ賞を獲得し、アカデミー賞にノミネートされる」と語った。(c)AFP