【10月1日 AFP】映画007シリーズのマネーペニー(Moneypenny)役で知られる女優ロイス・マクスウェル(Lois Maxwell)さんが9月29日、オーストラリア西部フリマントル(Fremantle)の病院で死去した。享年80歳だった。

 マクスウェルさんの広報担当者は、現地時間29日午後11時40分にマクスウェルさんの死去を発表したが、死因については明らかにしていない。近年は息子や家族とともにオーストラリアで生活していた。

■007シリーズ1作目から出演

 カナダ出身のマクスウェルさんは、007シリーズ第1作となった1962年の『007/ドクター・ノオ(Dr. No)』から1985年の『007/美しき獲物たち(A View To A Kill)』まで出演。ショーン・コネリー(Sean Connery)、ロジャー・ムーア(Roger Moore)といった俳優たちと共演し、約20年にわたり、同シリーズに出演し続けた。

 ムーアさんは9月30日、英スカイニューズ(Sky News)テレビに出演し、マクスウェルさんの死についてコメント。「(マクスウェルさんは)わたしの幸運の象徴です。マニーペニーが登場したボンド映画を覚えている人々は、大きな愛情とともに、彼女を記憶にとどめるでしょう。彼女がいなくなったことを寂しく思います。世界中の多くのファンも同様でしょう」と語った。

■「007出演を決めた時期はつらいときだった」

 007出演前から映画界で活躍していたマクスウェルさんは2005年、オーストラリア放送協会(ABC)のインタビューで、同シリーズへの出演を決めた時期は、人生の中でもつらい時期だったと語った。

「当時は夫が深刻な病気を抱えていて、幼い子どもが2人いて、お金もありませんでした。だから、以前一緒に働いた経験のあったプロデューサーたちに電話して助けてくれるように頼んだんです」

 テレンス・ヤング(Terence Young)監督に示された2つの役の中から、マクスウェルはマネーペニーを選択した。

 同シリーズ中のお気に入り作品を尋ねられたマクスウェルさんは『女王陛下の007(On Her Majesty’s Secret Service)』を選んだ。 同作品は、オーストラリア人俳優ジョージ・レーゼンビー(George Lazenby)が唯一、ボンド(James Bond)役を演じた作品であり、マクスウェルは「これが最高だと思うわ。優れた作品よ。ボンド映画ではなく、ただの映画だったとしても、素晴らしい作品になっていたと思うわ」と語っていた。(c)AFP