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フランス文化の発展を担うカンヌ国際映画祭

  • 2007年08月15日 19:45 発信地:東京
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カンヌ国際映画祭の最高賞「パルム・ドール(Palme d’Or)」のロゴ。(2007年5月16日カンヌにて撮影)(c)AFP/FRANCOIS GUILLOT

【8月15日 MODE PRESS】日仏メディア交流協会(Association Franco-Japonaise pour la communicationTMF)主催の講演会「カンヌ映画祭60周年に見るフランスの文化政策」が東京・恵比寿の日仏会館(Maison Franco-Japonaise)で先月開かれ、映画評論家の中川洋吉 (Yokichi Nakagawa)氏がカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)を例に、フランスの文化政策について語った。

■国を挙げて映画産業を活性化

 今年で60周年記念を迎えたカンヌ国際映画祭は、ヴェネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)、ベルリン国際映画祭(Berlinale International Film Festival)と並ぶ世界3大映画祭の1つ。その総予算は約2000万ユーロ(約32億6000万円)と言われる。中川氏によると、フランス国立映画センター(Centre National de la CinematographieCNC)をはじめとし、各著作権団体などの民間企業からの助成金が毎年支給されているという。

 また、CNCは映画の興行収入に応じて、作品プロデューサーへ一定額を還元するシステムも。1985年には、フランス国内の全てのテレビ局に、CNCへ年間総売上の5.5%の拠出を義務づける法律ができた。国を挙げて映画産業の発展に努めていることが分かる。

■新たな才能を発掘する「シネ・フォンダシオン」

 カンヌ映画祭のコンペ部門以外に幾つかの部門があり、そのうちの1つである、学生作品を上映する「シネ・フォンダシオン(La Cinefondation)」の試みは注目される。映画界の新たな才能を発掘するために98年に設立された部門で、同部門の「アトリエ(Atelier)」では、世界各国からのシナリオで選考された若手監督らが映画祭に招待され、自身をアピールする機会を得る。また、「レジダンス(Residence)」と呼ばれる制度では、毎年12人の若手監督がパリのアパルトマンで4か月間共同生活をしながら、長篇映画のシナリオ創作に励む。

 「世界各国の若手映画監督らが集まり、互いに刺激し合える素晴しい制度。日本人にも積極的に活用して欲しい」と中川氏。

■ハリウッドとは違う仏映画の強み

 フランス映画とは異なる市場戦略で世界の映画産業に進出しているハリウッド(Hollywood)映画だが、最近ではリメイクが多く「ネタ不足」も目立つという。これに対し「フランス映画界には小さな予算で、自由に映画製作ができる環境が整っている」とその強みを指摘する。

■確立された地位にはまだ遠い日本映画産業

 日本映画界の巨匠と呼ばれる黒澤明(Akira Kurosawa)監督、パルム・ドール(Palme d‘Or)を2度受賞した今村昌平(Shohei Imamura)監督に加え、『Hana-Bi』で一躍有名になった北野武(Takeshi Kitano)監督など、フランスでは日本映画の評価も高い。しかし知られているのはこれら一部の「ブランド化された」監督のみだという。

 中川氏は「日本でも、映画界を活性化する制度がもう少し必要。さらに語学の問題もあり、世界に出て行ける人がまだ少ないのが実情」と語る。日本映画が世界の映画界で中心的な役割を果たすようになるまでには、多くの問題が残されているようだ。(c)MODE PRESS

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