【6月15日 AFP】(一部訂正)世界中で大ヒットを記録している『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(Pirates of the Caribbean/At World's End)』だが、中国では1部がカットされて公開されたことが明らかとなった。15日、国営新華社(Xinhua)通信が報じた。

 カットされた部分は、チョウ・ユンファ(Chow Yun-fat)演じる、そり上がった頭と長い爪とひげでゾッとさせるような登場人物、キャプテン・サオ・フェン(Captain Sao Feng)のシーンだという。オリジナルでは20分だったシーンが10分にカットされた。

 新華社通信によれば、カットの理由はキャプテン・サオ・フェンという役柄が、「中国人を中傷し、中国人に屈辱を与える」ものだからだという。具体的な批評は明らかにしていないが、サオ・フェンについてある映画誌に書かれた文面を引用した。その雑誌には、「中国人を悪魔のように描くハリウッドの昔の手法と同じ」と書かれているという。

 映画関係者のZhang Pimin氏は新華社通信に対し、今回のカット措置は「通常の映画検閲の規定」と「中国の現在の状況」に準じて行われたものだと語った。

 Pimin氏は、カットにより映画が台無しになることはないというが、中国で人気のサイトsina.comには、「あらすじを理解するのが難しくなった」、「本当に素晴らしい映画なのに、理解できないものに変えられてしまった」、「とてもショックです」などの声が寄せられた。

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』はジョニー・デップ(Johnny Depp)主演の人気シリーズ第3弾で、一部報道によれば、最短で世界での興行収入5億ドル(約617億円)を達成した映画だという。(c)AFP