2007年5月19日、第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)で、コーエン兄弟の『No Country for Old Men』会場のフェスティバル・パレスに現れたレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)と米国の映画監督Leila Conners Petersen。(c)AFP/FRANCOIS GUILLOT
【5月25日 AFP】第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)で19日、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)が製作、脚本、ナレーターの3役を務めたドキュメンタリー映画『The 11th Hour』のプレミア上映会が行われた。今作品は『The 11th Hour』は地球環境保護をテーマにしたもの。
■『不都合な真実』よりも辛口?
環境問題を米国の最重要課題と位置付けるディカプリオは「米国は世界の『手本』となるべきだ。米国は、最大の民主主義国家であると同時に最大の環境汚染国でもあるからね」とコメント。
今年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞していたアル・ゴア(Al Gore)前副大統領のドキュメンタリー映画『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』と共通のテーマも多く取り上げられた。ゴア氏の映画は、地球温暖化に対する米国民の意識を変えようとする意欲作だったが、ディカプリオは今作でさらに大きな問題に切り込んでみせた。
■ホーキング博士らも登場
『The 11th Hour』のなかでは、専門家12人が「現在の速度で地球温暖化が進行した場合、人間社会は消滅するだろう」と結論づけている。
また、英国の物理学者スティーヴン・ホーキング(Stephen Hawking)博士、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元ソビエト連邦大統領、ケニヤのノーベル平和文学賞受賞者ワンガリ・マータイ(Wangari Maathai)さんらを登場させ、「先進国は率先して消費を減らして(人間とともに地球の)寿命を延ばそう」というメッセージを訴える。
■「人類史上最大のチャレンジ」
インタビューの合間には、溶岩を噴き出す火山、大規模な泥流、殴り殺されたアザラシの赤ちゃんの映像などが挿入され、行き過ぎた米国の消費者社会を浮かび上がらせる。悲観的な映画のトーンとは裏腹に、ディカプリオ自身は人類の運命については楽観的だという。
「地球の将来を長年にわたって左右していく温暖化問題について、自分が今、話し合える世代だということが幸せなんだ。この問題は、恐らく、人類史上で最大のチャレンジとして記憶されるだろう。うまく対処できればね」と、ディカプリオ。
■記者の質問に、熱く反論
プレミア上映後、記者から大量の燃料を消費するジェット機でカンヌまでやってきたのかとの質問を受けたディカプリオは「いや、列車で太平洋を横断してきたよ」と皮肉まじりに答えた。
しかし、環境保護を口にしながら、多くのスターが排気ガスをまき散らす専用ジェット機を使っているとの英国人記者の指摘には、ディカプリオも気分を害したようだ。
「ニューヨークからカンヌまでは、民間機を利用した。出来る限り一般の飛行機を利用するよう努めている」
「大切なメッセージを伝えようと真剣に努力している人間に、移動手段に何を利用したかとか、どんな生き方をしているかなんて、メディアは面白半分に公表すべきではないよ」
■ゴア氏に対するメディアの態度を批判
さらに、記者に歩み寄り「ゴア前副大統領のような著名な環境保護論者を追い回し、私生活での矛盾点を暴くようなメディアのやり方にはイライラしている」と語った。
「ゴア氏への攻撃は、環境問題を間違った方向に導きかねない。伝道師に銃を向けるような真似をすべきではない。この意味が分かるかい?信念に基づいた暮らしを送る人間の人生を攻撃するようなものだ。もっと大きな視点で語り合おうよ。例えば、巨大な石油企業の実態を考えてみようよ」
「僕達は出来る限り最善の努力をしている。その気持ちに偽りはない」
ここ10年来、環境保護論者を自負してきたディカプリオだが、自身が主演した2000年の映画『ザ・ビーチ(The Beach)』では、タイで行った撮影時に国立公園の一部に損傷を与えたとして、環境活動家の非難にさらされたことがある。しかし、同映画の関係者によれば、非難は不当なものだという。(c)AFP






