国際ニュース検索

ジャクソン監督、新作映画の「差別用語」をめぐり苦境に - ニュージーランド

  • 2006年09月19日 15:06 発信地:ニュージーランド
  • 写真
  • ブログ
  • クリッピングする
  • 写真をブログに利用する

写真は、ジャクソン監督(2005年12月8日撮影)。(c)AFP/Max Nash

【ウェリントン/ニュージーランド 18日 AFP】映画「ロード・オブ・ザ・リング(Lord of the Rings)」シリーズで大成功を収めたピーター・ジャクソン(Peter Jackson)監督が、第二次世界大戦での英空軍部隊の活躍を描いた新作「ダムバスターズ(The Dambusters)」で、差別用語の使用をめぐり苦境に立たされている。その心境を18日、映画サイト「Ain’t It Cool」に語った。

 実話に基づいた映画、「ダムバスターズ」は、1943年のガイ・ギブソン(Guy Gibson)中佐率いる英空軍飛行隊「ダムバスターズ」によるドイツのダム急襲攻撃作戦を描くもの。この作戦で、飛行隊はドイツの重工業の中心地、ルール(Ruhr)地方を新型の反跳爆弾で攻撃し、ナチスドイツに大打撃を与えた。1954年にも映画化されており(邦題は「暁の出撃」)、今回はそのリメイク。

■黒人の蔑称「二ガー」が本作品の鍵

 問題となっているのは、主人公のギブソン中佐の愛犬の名前に、黒人の蔑称「二ガー」という言葉が使われている点だ。実話に基づいている上、攻撃の鍵となる暗号でもあることから、ジャクソン監督は史実を忠実に描くためにはこの言葉の使用は不可避だと考えている。
「この言葉を使っても使わなくても、責められることに変わりはない。もし使用をやめれば、政治的に正当とされる用語の使用を要求するポリティカル・コレクトネスに魂を売ったと非難されるだろうし、差別用語を使う決断をすれば、心ならずも感情を損ねる人々が出てくる。結局、最善のシナリオなどないということだ」
 政治的安全性を選ぶか、それとも歴史的整合性をとるのかとの二者択一を迫られ、ジャクソン監督は「ともかく、いつかは決断をせねばならない。その結果起こる事態の対処については、その時に考える」と語る。

 予算5000万ドル(約59億円)の大作リメイクに取り組むジャクソン監督は、「ダムバスターズ」は第二次世界大戦における最も素晴らしい物語の一つだという。一方、新型の反跳爆弾についての情報が、ドイツ軍によって明らかにされた事は皮肉な話だと語った。
「ドイツ軍は撃墜した英軍機を解体し、不発の反跳爆弾を取り出し、測定、分析を行い、その結果を設計図として残した。我々が現在、当時の英軍新型爆弾の詳細を知りうるのは、ドイツ軍のおかげなのだ」

■ニュージーランドと英国で2007年に撮影開始

 リメイク版では、1954年のオリジナル版当時には判明していなかった攻撃計画の新たな事実が明らかにされるという。ジャクソン監督がプロデュースするリメイク版の監督は、監督経験はこれが初めてとなる33歳のクリスチャン・リバーズ(Christian Rivers)氏が務める予定。制作総指揮者はイギリスの著名なテレビ司会者、デビット・フロスト卿(Sir David Frost)。ユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures)とフランスのスタジオカナル(StudioCanal)が出資し、ニュージーランドと英国で2007年に撮影が開始される。
 写真は、ジャクソン監督(2005年12月8日撮影)。(c)AFP/Max Nash

このニュースをブログに利用する

このニュースをソーシャルブックマークに登録する

  • みんトピに投稿
  • Buzzurlに追加
  • newsing it!
  • トピックイットに投稿する

この記事の前後のニュース

中南米 北米 中東・アフリカ アジア・オセアニア ヨーロッパ 中東・アフリカ