【4月24日 MODE PRESS】日本を代表するファッションコンテスト「装苑賞」の第86回公開審査会が24日、東京・新宿にある文化学園で開催された。第一線で活躍する8名の著名デザイナーによる最終審査のもと、“創造的進化”をテーマに作品を発表した玉田達也(Tatsuya Tamada)がグランプリの「装苑賞」を獲得した。

■審査員も絶賛

 玉田は、ポーランドの画家ズジスワフ・ベクシンスキー(Zdzisław Beksiński)から着想し、身体が衣服に進化するさまを立体的な作品で表現。本人が「作品にするまでの素材の加工やパターン作りが大変だった」と語る3体は、オパール加工やカットワーク、ステッチなど、一目でその作りこみ具合が見てとれる仕上がりだった。受賞について玉田は「憧れの舞台に立てて嬉しい。これからも、人と感動を共有でき、心に訴えるような作品作りをしていきたい」と語った。

 審査員コメントではほぼ全員が絶賛。「自分の素材を生み出し、それを自分でコントロールできている」と田山淳朗(Atsuro Tayama)。皆川明(Akira Minagawa)は「アイデア、テクニック、素材、制作にかける執着心という総合力があった」と評価した。

 玉田には賞状とトロフィー、賞金100万円、シャンブル・サンディカル・ドゥ・ラ・クチュール・パリジェンヌ洋裁学校への留学権などをはじめ、副賞として、合同展示会roomsLINKへのブース出展権とスワロフスキーによる素材提供などが与えられた。

■その他受賞者
  
 佳作1位は、“海中散歩”をテーマにカラフルなナイロン素材やジッパーを組み合わせた作品を発表した石田萌(Moe Ishida)。佳作2位は、雪の結晶のモチーフを、メタル飾りでつないだ装飾で立体感のある作品を見せた香港出身の章少茵が受賞した。ふたりにはそれぞれ賞状とトロフィー、賞金30万円などが与えられた。

 イトキン賞は、氷河から得たインスピレーションをオリジナルの編みで表現し、ニットの可能性を追求した田中香里(Kaori Tanaka)が受賞し、賞金20万円と上海研修旅行権を獲得。rooms賞は、“日本髪”をテーマに、和紙と水引で丸みあるフォルムの作品を発表した松下瑞穂。roomsLINK東京、台北、ソウルでの展示権などが与えられた。(c)MODE PRESS

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