【アビスサウェラ/スリランカ 13日 AFP】欧米の小売店では、スリランカ製のヴィンテージ調ジーンズが人気を集めている。スリランカ・コロンボの東にある工業都市アビスサウェラは、このジーンズの主要な生産地の1つだ。

■染色を重ねてユーズド感を

 地元のジーンズメーカー、ブランディックス(Brandix)のIndrajith Kumarasiri社長は「ユーズド感を出すために、だいたい16回、多いときには30回ほど染めと加工を繰り返す。汚れてぼろぼろになったようなジーンズを作った方が評判がいい。昔ながらのきれいな物はあまり売れない」と語る。同社は、毎年300万足のジーンズを生産。輸出額は、毎年3億2000万ドル(約378億円)にも達する。

 スリランカ産プレミアムジーンズの顧客には、リーバイス(Levis)、ギャップ(Gap)、ピエール・カルダン(Pierre Cardin)などが並ぶ。わずか12ドル(約1400円)で生産でき、100ドル(1万1800円)以上で販売できる点が魅力だ。

■「カジュアルウェア」が鍵

 欧米のメーカーは、コスト削減のため、スリランカなどの諸国でジーンズを生産するようになった。繊維業を営むAjith Diasさんは「インドや中国の会社が、発注から配達までの時間 やコストといった点で我々と競うのは難しいだろう」と語る。

 同国の繊維・衣料製造産業は、国内輸出総額の約半分を占める30億ドル(約3548億円)。そのほとんどが、米国やヨーロッパに輸出されている。その中で鍵を握るのが、ジーンズをはじめとしたカジュアルウェアだと Diasさんは語る。

■エコロジカルなジーンズも登場

 同時に、環境を考慮したエコ・ファッションの生産も進んでいる。オーガニックコットンと自然染料を使用した環境に優しいジーンズや、ココナッツの殻のボタンや、リサイクル紙に大豆インクでプリントした価格タグなどが登場しているという。(c)AFP