【ロンドン/英国 2日 AFP】ウェールズ南部のTreorchyにあるバーバリー(Burberry)の工場が3月29日、中国生産への移行のため閉鎖された。工場周辺は、60年間にわたった工場の歴史への誇りと閉鎖の悲しみとが入り混ざった独特のムードに満ち溢れた。
今回の閉鎖によって約300人の職員が仕事を失った。30日には元職員や工場閉鎖に心を痛めた支援者たちが集まり、地元のジャズバンドと男声合唱団の演奏を聞きながら最後の時を惜しんだ。Treorchy工場で47年間働いてきたデイヴィッド・リーズ(David Rees)氏は「とても感傷的な気持ち。今回のことで深く傷ついた」と語った。
「音楽がスタートした時は、皆が歌を口ずさみ素晴らしい雰囲気だった。しかし、人々が今回の閉鎖について話し出すにつれて空気が変わった。バーバリーが生産拠点を海外に移すという方法をとったことに、みんな怒っている」とリーズ氏。
■世界中で波紋を呼ぶ
今回の工場閉鎖は数々の論争を生んだ。著名人や政府関係者、チャールズ皇太子(Prince Charles)までもが工場存続を訴えた。反対運動は英国のみならずパリやニューヨーク、シカゴ、ストラスブルグ、ラスベガスなどでも繰り広げられたという。
英国の全国一般労働組合GMB連合(GMB Union)のアラン・ガーリー(Allan Garley)氏は「我々はこの会社の決断を忘れてはならない。この会社は、生産拠点をウェールズから条件の劣る国(中国)へと移したのだ。これは企業にとって大きな失敗だ。もしバーバリーが英国企業として見られたいのであれば、英国内に生産拠点を存続させておくべきだった」と語った。
これに対してバーバリー側は、「Treorchy工場は商業的に存続不可能だった」とコメント。生産は、中国、スペイン、ポーランドなどにある工場で補う予定だ。
写真は、Treorchy村のパブで撮影された「中国産バーバリーに反対(Burberry made in China not)」と書かれたTシャツを来た少女。(c)AFP/CARL DE SOUZA