【2月28日 MODE PRESS】フランスの国宝的デザイナー、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の栄光と孤独の日々を綴ったドキュメンタリー映画『イヴ・サンローラン』がいよいよ4月23日から全国公開となる。昨年開催された、トロント国際映画祭(Toronto International Film Festival)で国際批評家連盟賞を受賞するなど、話題の高まるなか日本での公開を迎える。

 1957年21歳でクリスチャン・ディオール(Christian Dior)の後継者に抜擢され、2002年世界中のファンから惜しまれながら引退を決意するまで、創造に愛と人生を捧げてきたイヴ・サンローラン。その苦悩と栄光は、半世紀の間、実に多くの人々の愛と公私を共にした良きパートナー、ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)氏の大きな愛で支えられ、最後まで見届けられてきた。

 時代の先駆者として、独創的かつエレガントなスタイルで世界中を驚かせ、魅了したモードの帝王は、長年、オートクチュールという聖域を守り続けた。その栄光の裏では、常に孤独と戦いコレクションへのプレッシャーやマスコミの評価と向き合い、苦悩していた。そんな貴重な姿が劇中では赤裸々に映し出される。光と影の半世紀をイヴと共に歩み続け、ファッション界の第一線に立ち続けたパートナーのベルジェ氏が、イヴとの思い出を膨大な量の資料と共に紐解いていく。本編に収録されている映像や写真は、個人、財団所有のものを含め10万点以上ある資料の中から厳選された貴重なものばかり。サファリスーツ、モンドリアンドレス、パンタロンスーツなどを発表したコレクション映像や二人が過ごしたパリのアパルトマン、マラケシュの別荘、ノルマンディーの城、加えて数多くの美術品や骨董品が迫力の映像となって映し出される。

 監督はフランスで美術造形家、写真家として活躍し、古くからサンローランとベルジェとも親交のあったピエール・トレトン(Pierre Thorreton)。偉大な才能と愛、尊敬によってファッション界の頂点にたどり着いた二人の関係性を独特のタッチで綴りあげた。ベルジェの語りやサンローランの言葉から浮かび上がる美の極意が、映画の中にふんだんに盛り込まれている。モードの歴史に変革をもたらし、神話にまでなったパートナーシップの物語は、互いに見つめ合うだけでなく同じゴールを見つめ続けることの偉大さを教えてくれる。

 4月23日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。(c)MODE PRESS

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