【12月6日 AFP】伊「トッズ(TOD'S)」グループは2日、ローマの遺跡コロッセオ(Colosseum)修復費用として総額3300万ドル(約27億5000万円)負担すると申し出た。

 ディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長兼CEOは「我々の国の偉大な象徴のために何かできればと思った。早急に取り掛かる必要がある」とコメントした。

 コロッセオは西暦80年に建造された円形闘技場で、剣闘士の戦いなどさまざまな催しに使用された。イタリアで最も人気のある文化遺産のひとつで、年間600万人もの観光客が訪れている。しかしファサードは風雨で傷み、自動車の排ガスで黒ずんでしまっている。さらに今年5月には回廊でしっくいの壁が崩落する事故が発生し、老朽化が取りざたされた。

 同じくイタリアを代表する世界遺産ポンペイ(Pompeii)では、ここ最近建造物の崩壊が相次ぎ、文化界に大きな衝撃を与えた。「今行動を起こすことが必要だ。ポンペイを繰り返してはいけない」とデッラ・ヴァッレ会長兼CEO。

  今回の資金援助を「宣伝として利用するつもりは無い」とデッラ・ヴァッレ会長兼CEOは語る。「コロッセオからぶら下がる巨大な靴なんて、誰も見たくないだろう」

 さらに、「今回のことは、国際社会にとって重大な警告になるだろう。そして、それは経済的に困難な状況にあるイタリアにいる我々にとっての助けとなるだろう」とコメント。また、国は寄付に対し税制上の優遇措置を設けるなどして、文化遺産への資金援助を民間に働きかけていくべきである、と指摘した。(c)AFP/Dario Thuburn

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