【10月29日 AFP】毎年女性セレブの「ワースト・ドレッサー」を発表していたリストファッション評論家のMr.ブラックウェル(Mr. Blackwell)ことリチャード・シルバン・セルザー(Richard Selzer)氏が19日、ロサンゼルスのシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center)で死亡した。86歳だった。

 毒舌のファッション批評で知られるMr.ブラックウェルは、60年から毎年10名の「ワースト・ドレッサー」のリストを発表。過去には、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)をはじめ、ソフィア・ローレン(Sophia Loren)、エリザベス・テーラー(Elizabeth Taylor)、最近ではブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)、パリス・ヒルトン(Paris Hilton)、ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)などがリスト入りしていた。

 エリザベス・テーラーを「彼女のぽっちゃり体型とそれを露にするドレスは、ツェッペリン(飛行船)を思い出させるよ」、ソフィア・ローレンを「彼女の着こなし方はまるで、映画に出てくるイタリアのショップガールみたいだ」と酷評。英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)を「女王陛下と言うより、まがいものだ」とこき下ろす等、辛辣な批評を展開した。

 Mr.ブラックウェルことセルザー氏は1922年8月29日、ニューヨークのブルックリンで誕生。貧しい家庭で次男として育った。1930年代後半からハリウッドで役者を目指したが、長くは続かなかった。その後、ファッションビジネスの分野に転向したが、それも70年代中盤で挫折。その後にファッション評論家に転身。辛口のコメントに、毎年多くのメディアが注目していた。(c)AFP