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Elle Fashion Week 2006、タイファッションの過去現在未来-タイ

  • 2006年11月14日 15:44 
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写真は、2006年11月1日に開催された、Elle Fashion Week2006のショー。(c)AFP

【バンコク/タイ 14日 AFP】バンコク市内にて、10月31日より6日間にわたって、Elle Fashion Week 2006が開催された。盛り上がりを見せるタイファッションだが、ここ最近のクーデターの影響で、バンコクが世界のファッション中心地となる夢が遠ざかっている。

■Elle Fashion Week 2006の目的

 高級ファッション雑誌、エル(ELLE)タイ版が主催した今回のElle Fashion Weekは11月5日まで行われた。8年目となる今年の狙いは、タイのデザイナーを国内の市場へ促すこと。新人やベテランデザイナーによって、ファッション産業を活性化させることが本来の目的だった。

 「ランウェイが単なる若いデザイナーの発表の場となってしまった」と、エル・タイランドの編集長、Kullawit Laosuksri氏は述べた。「次につなげるように、ランウェイを演じる場としてほしい」

 実際のところ、Elle Fashion Weekのように、優秀なタイ人デザイナーを輩出するチャンスは広がってきている。しかし、政府主導のバンコクを世界のファッション中心地にしようというプロジェクトは弱小化してしまった。

■前身となるファッションプロジェクト

 「バンコク・ファッション・シティー」(Bangkok Fashion City)構想は元はといえば、タクシン・シナワット前首相の発案であった。9月19日に起こったクーデターによって首相の座を追われたタクシン氏は、億万長者として有名だった。

 同氏率いる政府は、ファッションプロジェクトに対し、前向きに投資しており、2005年8月と2006年5月には、新しくBangkok Fashion Weekを開催した。そして同時にファッションアカデミーや、図書館、雑誌などを創り、ファッションを盛り上げようと力を入れていた。

■破綻したプロジェクト

 だが、プロジェクトに投資した180万バーツ(441万ドル)もの巨額をどこから捻出したのかという批判の声が多く聞かれるようになった。そんな疑問を残したまま、タクシン政府に代わって新政府が発足。今週初めには、ファッションプロジェクトの中止が決定された。

 「プロジェクトにあんなに巨大な額を投資したことは恥ずべきこと」と、Kullawit氏は語った。そして、政府の中心人物の無知さとともに、当時タイのファッション関係者へまずは相談すべきだったと指摘した。

 クーデターによって腐敗したタクシン政府を引き継いだのは軍部。新政府を始動するにあたってまず行われたのは、タクシン氏が力を注いできたプロジェクトを中止することだった。もちろんその中には「バンコク・ファッション・シティー」構想も含まれていた。

「バンコク・ファッション・シティー」構想のマネージャーを務める、Bunchua Wonggasem氏は同計画関係者に対し、新政府幹部とプロジェクト存続のために話し合う必要があると訴えた。

 「Bangkok Fashion Weekを経て、ブランドの知名度は既にあがっている。おそらく来年もファッション・ウィークは開催されるだろう。だが、私たちがどんなにがんばって実行し運営しようとも、全く同じイベントにすることは難しいに違いない」と、AFPのインタビューに対し答えた。

■周囲の冷静な判断

 多くのタイ人デザイナーたちが、地元ファッションを海外へ発信した場合、多大な利益をもたらすことを信じている。ただし、それが円滑に進められた場合ということは忘れてはいけない。

 「時間がかかるだろう」と、タイの地元ブランド、Greyhoundのクリエイティブ・ディレクター、Bhanu Inkawat氏はこう述べた。同ブランドは国内で最も知名度が高く、最近では日本やオーストラリアでも展開されている。

 「バンコクをファッション都市として復活させるために、少なくとも10年間は必要だろう。もしそれまでにこの計画が廃止されてしまったら、残念だ」

 1997年の経済危機以後、ファッション産業を活性化させようと始められたElle Fashion Week。Kullawit氏はこのファッションイベントを国内の観客を主なターゲットとしていると説明した。だが、一方で政府主導のファッションイベントは、取引きの場としての特徴がより色濃く出ている。

 ファッションイベントを同じように捉えたい、と同氏は述べている。それにも関わらず、プロジェクトをこのまま進めていくにあたって決して楽天的ではいられない、と話す。

 「バンコク・ファッション・シティーの未来に希望はほとんどない」と、AFPのインタビューに対し、同氏は話してくれた。

■実力が伴ってきたデザイナーたち

 そんな中、首都を拠点とするデザイナー、ブティック経営社など業界関係者は、Elle Fashion Weekに向けて慌ただしく準備に追われた。今回のイベントでは400万バーツ(108万ドル)の費用をかけ、18の新旧ブランドがコレクションを披露した。
 Greyhoundの作品は、以前に比べてよりクリエイティブになっており、外国に旅行した際の気候からインスピレーションを受けたというコレクションが、我々を楽しませてくれた。

 ショーのテーマは、「寒さから借りてきた:borrowed from the cold」と、Greyhoundのクリエイティブ・ディレクター、Bhanu氏は秋冬コレクションに関してこうコメントした。

 「今回のコレクション中、北ロシアへ旅行した。そこではブランケットにくるまったストリートの物乞いがたくさんいたんだ。こうして彼らは私たちのコレクションにインスピレーションを与えてくれたんだよ」

■タイファッションの希望

 今回のファッションイベントを経て、誰しもが納得したことがある。それは、「バンコク・ファッション・シティー」が実現していなくても、タイデザインのクオリティーの高さ、見事なイノベーションは世界ファッション界において一目置かれるということである。

 写真は、2006年11月1日に開催された、Elle Fashion Week2006のショー。(c)AFP
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