【9月11日 AFP】メキシコ政府が炭酸飲料への課税を検討していることに対し、コカ・コーラ(Coca-Cola)など飲料メーカーは10日、「効果がない」と批判した。一方、消費者団体は増加する肥満や糖尿病への対策は急務だと警告している。

 メキシコのエンリケ・ぺニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は8日、増税を目指す財政改革の一環として、炭酸飲料1リットルにつき1ペソ(約8円)を課税する案を発表した。大統領が示した統計によると、炭酸飲料のメキシコ人1人当たりの年間消費量は163リットルと、「世界で最も太った国民」という不名誉な称号を競い合う米国の118リットルを上回り、世界最高となっている。

 炭酸飲料税はメキシコ人のソフトドリンク消費を減らし、子どもにも多大な影響が出ている肥満の対策にも寄与するとぺニャニエト大統領は主張。議会で承認されれば、炭酸税の導入はフランスに次いで2か国目となる。

 これに対しコカ・コーラのメキシコ法人は「肥満のような複雑な問題の対策として炭酸飲料に課税することには効果がない」と反論する声明を発表した。

 コカ・コーラ側は、平均的なメキシコ人の消費カロリーのうちソフトドリンクが占める割合はわずか5.5~6.6%だとする研究結果を示し、なぜソフトドリンクが体重増加の主な原因とみなされるのか理解に苦しむと述べている。

 コカ・コーラやペプシ(Pepsi)などの飲料メーカーが参加する炭酸飲料業界団体は、炭酸飲料への課税によって減るメキシコ人のカロリー摂取量は、多く見積もって1.1%程度だと主張している。

 メキシコ人の糖尿病罹患率は、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国で最悪の10.8%だという。(c)AFP/Leticia PINEDA