【9月7日 AFP】イタリアで2日、超高速コンピューターを駆使して短時間に株式取引などを行う高速・高頻度取引(high-frequency trading、HFT)への課税制度が新たに導入された。3月に全ての株式取引を対象に導入された課税制度に続く金融取引税となる。

 HFT課税制度の導入により、イタリア株と株価指数のデリバティブ(金融派生商品)で売買時間が0.5秒未満の取引には0.02%の税が課せられる。伊ミラノの経済紙「ソレ24オレ(Il Sole 24 Ore)」によると、この種の税としては世界初。以前の推定より低い年間200万~250万ユーロ(約2億6000万~3億3000万円)の税収が見込まれている。

 課税の具体的な適用方法について混乱があったため、導入が遅れていた。一方、課税による出来高の減少を懸念する投資家の声も出ているが、ある業者は、HFT課税導入直後の数時間でイタリアの主要株価指数FTSE・MIB指数の差金決済取引(デリバティブ取引の1種)の出来高は前週の同じ時間帯より12%ほど減ったと述べたうえで、結論をだすには時期尚早だとしている。

 イタリアの他、欧州の10か国が同様の金融取引税の導入を検討しているが、専門家の間では景気に悪影響を与えるのではないかという懸念も出ている。(c)AFP