【8月30日 AFP】マクドナルド(McDonald's)をはじめとするファストフードチェーン大手の従業員数千人が29日、全米各地で最低賃金の引き上げを要求するストを行った。主催者側は、2000億ドル(約19兆6000億円)の市場規模を持つ米ファストフード業界で行われた「過去最大規模のスト」としている。

 従業員たちは約60の都市でストを決行。最低賃金を現行水準の倍の15ドル(約1470円)に引き上げるよう訴えた他、報復を受けずに労組を結成できる権利を認めるよう求めた。

 ニューヨーク(New York)5番街(Fifth Avenue)にあるマクドナルドの店舗の周辺で行われたデモに参加した女性はAFPに対し、膨大な利益を上げているファストフード各社は賃上げに応じられるはずだと主張。マクドナルドのブロンクス(Bronx)店で働く自身の時給は7.25ドル(約712円)だといい、「光熱費や子どものおむつ代を払ったら、食料品を買うお金はほとんど残らない。(会社の)待遇は良いが、給料はもっとほしい」と語った。

 活動グループ「ファストフード・フォワード(Fast Food Forward)」に所属する男性従業員は、「健康保険に加入しておらず、労働時間の保証もない」という労働条件を厳しく批判。「どの統計を見ても、ニューヨークで暮らすには食料品と衣服、家賃だけでも時給20ドル(約1960円)は必要だ」と述べている。

 賃上げを要求する活動は昨年11月、ニューヨークで約200人の従業員が参加して始まったが、その後、急速に各地に拡大。7月には、シカゴ(Chicago)やデトロイト(Detroit)、フリント(Flint)、カンザスシティー(Kansas City)、ミルウォーキー(Milwaukee)、セントルイス(St. Louis)でストが行われた。

 主催者によると、29日にはバーガー・キング(Burger King)やウェンディーズ(Wendy's)、タコベル(Taco Bell)、ピザハット(Pizza Hut)、ケンタッキーフライドチキン(KFC)など大手チェーン約1000店舗でストが行われた。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU