【8月10日 AFP】中国の国営新華社(Xinhua)通信は9日、米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の創業者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏が米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)を買収したのはオンライン販売サイトの誤操作によるものだったというジョーク記事を事実として報じた。

 ベゾス氏がワシントン・ポストを2億5000万ドル(約240億円)で買収するというニュースは5日に発表されていた。

 新華社の「誤報」の元になったのは、コメディアンのアンディ・ボロウィッツ(Andy Borowitz)氏が米誌ニューヨーカー(New Yorker)オンライン版の「ボロウィッツ・リポート(Borowitz Report)」というコーナーに書いた「アマゾン創業者、ワシントン・ポストを誤ってクリックしたと語る」というコラム。

 このコラムでボロウィッツ氏は、今回の買収は「非常に大きな取り違え」だとして、「私がワシントン・ポストを買収するなどあり得ない…そんな新聞、読んでもいないのに」というベゾス氏の架空のコメントを「引用」したほか、「ベゾス氏はクレジットカードの請求明細に2億5000万ドルという『並外れた金額』があるのを見て、同紙を買ったことに気が付いた」などと書いていた。

 中国の国営メディアは時折、西側社会のジョーク記事を事実だと誤解することがある。昨年11月には、中国共産党機関紙の人民日報(People's Daily)のオンライン版が、うそのニュースを伝える米国の風刺新聞「ジ・オニオン(The Onion)」が伝えた「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記、2012年の『最もセクシーな男性』に選出」というジョーク記事を真に受けて事実として掲載していた。(c)AFP