【7月8日 AFP】日本の放送各社がパナソニック(Panasonic)の「スマート」テレビのCM放映を拒否していると、パナソニックが8日、発表した。テレビとインターネットを融合した同機種に放送各社が脅威を感じているのではないかとの臆測が広がっている。

 民放が大手広告主のCM放映を拒否するのは異例。報道によれば、民放各社はテレビ放送とウェブページを分割画面で同時に表示させることで視聴者が混乱する恐れがあることを拒否の理由に挙げているという。

 パナソニックは声明で、IPTVあるいはスマートテレビは新分野のサービスであり、放送における新たな規則作りに向けた話し合いを始めていると述べた上で、それ以上のコメントを避けた。

 このCMは動画サイトのユーチューブ(YouTube)で視聴が可能だが、ネットユーザーたちは、民放各社が自分たちの放送業界を競争から守ろうとする無謀な企てをしていると非難した。

 動画のコメント欄では、ユーザーの「Desuzo Otaku」さんが「時代について行けないから地上波は終わった、それだけの話だ。諦めろ、時代はネットだ」とコメントしていた。

 また、別のユーザーtairaomoteさんは「いやLGサムスンはとっくに似たような商品を韓国内で出してるけどこっちには持って来れないんですわ テレビ局の拒絶反応が非関税障壁にもなってるという」と、ライバルの韓国企業を引き合いに出した。

 日本の放送業界は活気があり、競争もある。また、インターネット文化は盛んだ。しかしその一方で、革新の名人と評判の高い日本には、新技術を主流として採用することに二の足を踏む傾向がみられる。インターネットでの選挙運動を禁止する規制も、7月21日の参議院議員選挙を前にようやく緩和されたばかりだ。(c)AFP