【4月9日 AFP】鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染拡大により食への不安が高まっている中国で、家禽(かきん)食品の売り上げが急落しており、養鶏業者は「壊滅的」な打撃を受けている。業界団体が9日、述べた。

 中国ではこれまで、鳥インフルエンザ(H7N9型)に24人が感染、うち7人が死亡した。人への感染はこれまでのところ同国東部地域に限定されており、上海(Shanghai)と江蘇(Jiangsu)省の南京(Nanjing)、蘇州(Suzhou)では、生きた家禽類を扱う市場が閉鎖された。

 中国家禽業協会のQiu Baoqin副事務局長は、AFPの取材に「影響は極めて大きい。ブロイラー(食用の若鶏)市場に壊滅的な打撃を及ぼしている」と語った。影響の量的な規模については、現在調査を続けているところだと述べ、具体的な数値を示さなかった。

 中国国営の新華社(Xinhua)通信も、中国東部、浙江(Zhejiang)省杭州(Hangzhou)市の家禽類販売業者の話として、「ここ数日でニワトリとカモの売り上げが急落した。価格は20%下がったにもかかわらず、売れていない」と伝えている。

 また、中国新聞社(China News Service)は、中国北部、河北(Hebei)省石家荘(Shijiazhuang)にある同市最大の農産物市場の売り上げが前週と比べて50%以上も下落したと報じた。

■家禽食品にも「食の不安」、当局は安全性保証

 中国における昨年の家禽類の生産量は1800万羽。これは公式統計によると肉類生産量の20%以上にあたる。都市部の住民は2011年、1人あたり平均10.59キログラムの家禽類を消費していた。

 中国では近年、食の安全をめぐる問題が相次ぎ、消費者の食品に対する不安が高まっている。だが当局は、生きた家禽類との接触は避けるようにアドバイスをする一方、家禽類と卵類は適切に調理すれば安全としている。(c)AFP