【3月30日 AFP】モナコ公国のアルベール2世(Prince Albert II)公は29日、地中海に向かって約6ヘクタールの埋め立て地を建設し、領土の面積を拡大する計画を明らかにした。

 地元紙モナコ・マタン(Monaco Matin)とのインタビューで同公は、「2008年以降に寄せられた様々な提案について検討した結果、公国の東側を埋め立てる工事に着手することを決定した」と述べた。

 新たな計画の対象となるのは、コンベンションセンターの「グリマルディ・フォーラム(Grimaldi Forum)」近くの海域で、埋め立てにより、同国の領土は約3%拡大することになる。

 モナコは2008年末、約3000人が居住可能な住宅地を造成する目的で予定していた12ヘクタールの埋め立て地建設を断念した。世界的な金融危機が理由とされたが、計画海域が海洋保護区に近かったことから、環境保護団体が激しく反発する恐れもあったとみられている。

 アルベール2世公は今回の計画について、「これから策定する厳格な環境保護規則に従って、埋め立て地が建設、利用されるよう注視していく」との考えを示した。

 同国はこれまでにも、カジノ建設を目的とした大規模な埋め立て工事を実施してきた。こうして作られたカジノのほか、個人から所得税を徴収しない同国の政策が、世界の富裕層をモナコに呼び込む主な要因となっている。(c)AFP