【3月25日 AFP】財政危機にあるキプロスに対する金融支援策をめぐり、ユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)と欧州中央銀行(ECB)は25日未明、キプロスのニコス・アナスタシアディス(Nicos Anastasiades)大統領と合意した。ただし支援条件は、国内銀行1行の整理に加え、ロシア企業などの大口預金者への大きな負担を求める内容となった。

 24日夜から25日未明にかけて12時間にわたって開かれた緊急会合には、マリオ・ドラギ(Mario Draghi)ECB総裁、クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)IMF専務理事、ヘルマン・ファンロンパイ(Herman Van Rompuy)EU大統領、ジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)欧州委員会委員長、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ、Eurogroup)のイェルン・デイセルブルム(Jeroen Dijsselbloem)議長らが出席。アナスタシアディス大統領は会合後、合意に「満足」していると語った。

 合意では、国内2位のライキ銀行(Laiki)を分割整理する。最大手キプロス銀行(Bank of Byprus)は整理を免れるが、預金額10万ユーロ(約1200万円)を超える大口預金口座は全て凍結され、債務元本の減免にあてられる。キプロス銀にはロシア企業の海外預金が集中しており、投資家にとっては大きな損失を強いる内容だ。

 預金額10万ユーロ以下の小口預金は、欧州連合(EU)の預金保護対象となり、全額保護される。

 キプロスの各銀行は10日間にわたって休業しており、預金の引き出しなどのサービスが利用できない状態が続いている。営業再開は26日を予定しているが、予定通り再開されるかは現時点では不明。(c)AFP