【3月6日 AFP】米誌フォーブス(Forbes)は5日、同誌が4日に発表した世界の長者番付(2013年版)にサウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール(Alwaleed Bin Talal)王子が異論を唱えていることについて、王子は計画的に資産を高く見積もって公表しているとの見解を明らかにした。

 同誌がアルワリード王子の資産額を200億ドル(約1兆8400億円)と算出した一方、王子は実際よりも96億ドル(約8840億円)少なく計算されていると主張。自身の資産額が不当に低く評価されているとして、今後は同誌の番付作成に協力しない意向を明らかにした。2013年版での王子の順位は26位だった。

 また、王子が率いる投資会社キングダム・ホールディング(Kingdom Holding)は番付の発表後に明らかにした声明で、今後はフォーブス誌の資産評価チームに協力しないと明言。同誌の番付には「意図的な偏見と矛盾」があり、「中東の投資家に対する偏見」があると訴えていた。

 一方、フォーブス誌側は5日、これに反論する長文記事を掲載。「王子の資産は、サウジアラビア証券取引所での株価ではなく、キングダム・ホールディングが行っている投資の潜在的価値に基づいて算出した」と説明し、「サウジではここ数年間、長者番付の調査時期になると不可解に株価が急騰する事態が続いており、国の市場価格をつり上げている。そのため市価は、同社の本質的な価値に全く見合っていない」と主張した。

 同誌で執筆するケリー・ドーラン(Kerry Dolan)氏はまた、「キングダムの元幹部からここ数年、王子は計画的に自身が保有する純資産を数十億ドル規模で誇張して公表していると聞いている」と話している。(c)AFP