【12月11日 AFP】中国国内の貧富の差は世界で最も大きい水準にまで拡大しており、貧困層の多くが好景気から取り残されているとの調査結果が、中国家庭金融調査研究センター(Survey and Research Center for China Household Finance)により発表された。

 同センターによれば、所得格差を測るのに広く使われる「ジニ係数(Gini coefficient)」は2010年の中国では0.61で、危険な水準との境界線とされる0.40を大きく上回った。ジニ係数は0から1のスケールで表され、0は完全な平等を、1は完全な不平等を示す。

 国民の不満回避に腐心する中国共産党にとって、貧富の格差拡大は大きな懸念要因となっている。国民の不満増大は13億人の人口を抱える国に、社会不安をもたらしかねないからだ。共産主義政権が2000年にジニ係数を0.412と公表して以来、10年以上も国全体の格差係数を明らかにしていないのは、懸念の深さの表れとみられる。

 世界銀行(World Bank)がウェブサイトに掲載している各国のジニ係数を基にすると、中国は2010年の時点で貧富の差が大きい上位16か国に入ることになる。

 中国家庭金融調査研究センターは、西南財経大学(Southwestern University of Finance and Economics)と中国人民銀行(中央銀行)運営の金融研究機関によって創設された学術研究機関。(c)AFP