【11月19日 AFP】中国の国有石油会社がカナダの石油・ガス会社の買収を提案していることについてカナダ政府が審査している中、章均賽(Zhang Junsai)駐カナダ中国大使は17日、公営放送カナダ放送協会(CBC)のラジオ番組で、中国企業の産業スパイへの関与を強く否定した。

 章大使は、「外国で営業している中国企業は現地の法律に基づいて厳格にビジネスを行っていると保証できる」、「証拠があるのなら持って来て欲しい。証拠がないなら黙ってもらいたいものだ」と述べた。また章大使は、「米国でさえ証拠を出すことはできなかった」として、スパイ疑惑は「冷戦時代の考え方」だと非難した。

 米下院情報特別委員会(House Permanent Select Committee on Intelligence)は10月、中国通信機器大手の華為技術(Huawei)と中興通訊(ZTE)が米国の安全保障を脅かしているとして、両社の米国内での契約や買収を禁じるべきだとする報告書草案をまとめていた。

 中国の国有企業、中国海洋石油(China National Offshore Oil CorporationCNOOC)は、カナダ南西部のカルガリー(Calgary)に本拠地を置く石油・ガス会社のネクセン(Nexen)を151億ドル(約1兆2300億円)で買収すると提案している。章大使は、「われわれはカナダの資源を握るために、ここにいるのではありません。参加するためにいるのです」と大使はCBCに語った。

 10月中旬に行われた世論調査では、カナダ人の6割近くが、中国海洋石油が公開会社よりも競争で優位に立つことに恐怖を感じる、または外国政府はカナダの資源をコントロールすべきでないと考えていることが明らかになっている。 (c)AFP