【10月16日 AFP】米ニューヨーク(New York)で15日、米国とフランスの労働者60人あまりが投資会社「ベイン・キャピタル(Bain Capital)」のニューヨーク支社前で、同社が業務を中国に移転し従業員を失業させていると抗議した。

 抗議デモの参加者は、車両向け電気製品製造会社センサータ・テクノロジーズ(Sensata Technologies)のイリノイ(Illinois)州フリーポート(Freeport)工場と、スーツケースブランド大手サムソナイト(Samsonite)のフランスの工場で働く労働者たち。センサータはベイン・キャピタル傘下の企業で、サムソナイトの仏北部工場も一時、ベイン・キャピタルが所有していた。

 センサータに6年間勤務していたというメリージョー・カー(Mary-Jo Kerr)さん(29)は、中国人従業員への研修が終わり次第、同僚らとともに11月にも解雇されるという。彼女たちの仕事は、研修を終えた中国人従業員たちが埋めるというわけだ。

「本当にひどい話。本心をぶちまけることもできず、胸をはって出勤しなければならない。本当は泣きたいのに」(カーさん)

 カーさんだけでなく、数十年間もセンサータで働いてきた人たちも皆同様に、26週間分の解雇手当とともに解雇される見通しだという。

 ベイン・キャピタルは米大統領選の共和党候補、ミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事が創業した企業。ベイン・キャピタルを皮肉りモンスターの衣装を身につけた男性に率いられたデモ隊の批判の矛先は、生活の術を奪ったとしてロムニー氏にも向けられた。なかには「ロムニーは、みんなの仕事を外国に移転しがっている」と書かれたプラカードもあった。(c)AFP