【10月5日 Relaxnews】現在、世界最高峰の料理人の1人とされるスペイン人シェフ、フェラン・アドリア(Ferran Adria)氏がもうすぐ、ペルー料理と日本料理を融合させた「Nikkei(ニッケイ)」料理のレストランをバルセロナ( Barcelona)にオープンさせる。

 アドリア氏といえば、「世界のレストラン・ベスト50(World’s 50 Best Restaurant Awards)」の1位に5回輝いたにもかかわらず閉店してしまったスペインの伝説のレストラン「エル・ブリ(El Bulli)」を率いてきた名シェフ。同氏が最も好み、インスパイアされているのが日本料理だということは有名だ。

 今回、そこに前年に旅行したペルーの刺激が加わった。

 ペルー料理は近年、「南米のジェイミー・オリバー(Jamie Oliver)」と称されるスターシェフのガストン・アクリオ(Gaston Acurio)氏の存在によって一躍、世界のトレンドとなっている。しかし、ペルー料理の人気上昇の理由は急速に拡大しているアクリオ氏のレストラン帝国ばかりではなく、移民たちが生んだ文化の交差による豊かな食文化にある。そうした複雑な食文化を表すように、ペルー料理と中国料理の融合を「チファ(Chifa)」、ペルー料理と日本料理の融合を「ニッケイ」と呼ぶ。

 アドリア氏がペルー紙コメルシオ(El Comercio)に語ったところよれば、新レストランではペルーと日本を原産とする野菜をフィーチャーする。両国から厳選した10種類ずつの野菜を素材に、同氏の考案した「分子調理法」などキッチンの錬金術を駆使するのだそうだ。

 なぜ「ニッケイ」なのか? それは、2つの食文化を扱うことでいっそうの自由が生まれるからだとアドリア氏は言う。加えてニッケイ料理はまだ発展途中にあり、新たな食文化形成の一助となれるのも魅力だと言う。

 レストランの開店予定日はまだ発表されていないが、バルセロナにあるアドリア氏のタパス・レストラン「Tickets」の隣にオープンし、同氏の兄アルベルト氏と共同経営する30席のレストランになるという。(c)Relaxnews/AFPBB News