【8月27日 AFP】アドリア海に面したクロアチアの古都ニン(Nin)では、ローマ時代から続く伝統の塩田製法で、「フラワーソルト」「塩のキャビア」などと称される高品質な自然塩作りが続けられている。年20トンの塩を生産・輸出するクロアチアでも、一貫して伝統的で環境にもやさしい自然製塩を行っているのはニンだけだ。

 健康にも良いとされるニンの塩が取れるのは、気候条件が整った日の早朝のみ。海面に花びらのように浮いてくる薄い塩の層を集め、極細目のふるいにかける。こうして作られた塩の価格は、1キログラムあたり50ユーロ(約5000円)にもなる。

 ローマ時代には塩は、税金の代わりに納めるほど貴重なものだった。給与を意味する「サラリー」という言葉も、塩で納める税を意味する「サラリウム(salarium)」が語源だといわれ、当時は塩1オンス(約28グラム)が金1オンス相当の価値があったという。(c)AFP