【6月30日 AFP】中国広東(Guangdong)省の中山(Zhongshan)市で25日と26日の夜に起きた出稼ぎ労働者による暴動に関し、市当局は28日、厳重に取り締まりによって事態悪化を防ぐため、扇動した疑いのある者を拘束するよう警察に命じたと発表した。

 同市では25日に起きた出稼ぎ労働者と地元住民の衝突に警察が介入、26日夜までに暴動に発展した。
 
 香港(Hong Kong)に隣接する広東省は「世界の工場」として知られる。他省からの出稼ぎ労働者はここ数十年間で数千万人に上り、低賃金労働力を武器に中国の輸出主導型の経済を支えている。

 中山市当局は「挑発や襲撃を行ったり、危害を加えたとみられる容疑者に対し、厳しい取り締まりを実施するため、市内の主要箇所に警官隊を配備した」と発表。二晩の暴動で、死者や重症を負った者は1人も出ていないとしているが、現時点での負傷者や拘束された人の数は明かさなかった。

 一方、香港紙や華人紙は、この暴動での負傷者は数百人、死者は10~30人に上り、最大300人がこれまでに拘束されたと報じている。

 広東省で働く出稼ぎ労働者は長年、賃金低下や差別、不公平な社会保障への不満を訴えており、近年は出稼ぎ労働者による暴動が増えている。(c)AFP