【6月8日 AFP】ギリシャの実業家が、雇っていたメイドに現金100万ユーロ(約1億円)を盗まれたと警察に届け出たところ、逆に脱税の疑いを掛けられてしまった。

 アテネ通信(ANA)が6日に伝えたところによると、この実業家はアテネ(Athens)郊外の別荘の金庫から現金が盗まれたと通報した。ところが通報を受けた警察当局は、この現金が正しく申告されているかどうかの調査を課税査察当局SDOEに依頼したという。

 実業家は警察の取り調べに対し、問題の現金は不動産を売却して最近得たもので、すぐに再投資するつもりだったと説明。経済危機の渦中にある銀行に預けるよりも、自分で金庫に保管したほうが安全だと思ったと話しているという。

 折しもギリシャ政府は、ユーロ圏から脱落する瀬戸際へと同国経済を追い詰めた一因といわれる脱税の取り締まりを強化している。

 ちなみに盗まれた現金は、警察が犯人とみられるグルジア出身の女(33)から半額を回収した。女は残り半分の現金について既に母国で投資してしまったと話している。(c)AFP