【5月30日 AFP】米ナスダック(NASDAQ)市場にIT企業として過去最大規模の新規株式公開(IPO)を果たしたものの、公開価格から急落した米交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)の株価は29日も続落し、IPO後の最安値を更新した。

 18日に公開価格(38ドル)で新規上場したフェイスブック株はこれまでのところ、投資家の疑念に直面している。29日にはIPO後初めて30ドルを割り込み、終値は前週末比9.6%安の28.84ドル。公開価格からは24%以上下落した。

 米ウェドブッシュ証券(Wedbush Securities)は顧客向けの注釈として、フェイスブックは初日のナスダックのシステム障害や、情報開示のあり方が選別的だったのではないかとの疑念など、上場時の「混乱」に依然動揺した状態で、「売り出し株が需要を圧倒的に上回っている」と述べている。ただし「こうした短期的な問題はあるが、収益は長期的には大幅に向上するだろう」と楽観している。同証券ではフェイスブック株の目標株価を44ドルから変更しておらず、「フェイスブック株は収益、収益成長が伸びる大いなる可能性を持っており、この目標株価は保証されると考えている」としている。

 前日28日には、モバイル市場からの増収を狙う戦略の一環として、フェイスブックが独自にスマートフォン(多機能携帯電話)を開発、販売する計画だと報じられ、これに対する投資家の慎重姿勢も影響したとみられる。(c)AFP

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