【5月11日 AFP】韓国の家電メーカー、サムスン電子(Samsung Electronics)は10日、55インチ有機LED(発光ダイオード)ディスプレーを採用したハイスペックテレビを報道陣に公開した。2012年後半に韓国で発売するという。

 本社でこのテレビを公開した後に同社が配布した資料によれば、有機LEDは従来の薄型パネルよりも明るく鮮明な映像を表示できるという。有機LEDはスマートフォンなどのモバイル機器に使われており、液晶ディスプレーやLEDディスプレーに代わる次世代技術として期待されている。

 韓国での販売価格は1080万ウォン(約75万円)以上と、現行のハイエンドモデルの2倍以上の価格になる予定だ。

 韓国に続き米国やヨーロッパでの販売も予定されているが、発売日は明らかにされていない。同社テレビ部門の責任者によれば、今夏のロンドン(London)五輪開幕前の発売も「慎重に検討」しているという。テレビの売り上げは大規模なスポーツイベントの前に増加する傾向がある。また同責任者は、有機LEDテレビが主流になるまで2~3年かかるだろうと述べた。

 同社は、高級テレビ市場での優位性獲得を目指し、55インチ以上のモデルの生産を増強するとしている。

 最大手のサムソン電子をはじめとする世界のテレビメーカーは、高級モデルの投入によって、減速している販売を活性化しようとしている。

 米NPDグループの調査会社ディスプレーサーチ(DisplaySearch)の今週の発表によれば、今年の世界のテレビ出荷台数はヨーロッパや日本の需要が低迷しているために横ばいになると予想されている。また同社によれば、世界の各メーカーは売り上げ拡大を狙って大型モデルを多数投入しており、4年前に30インチ未満だった平均サイズは今年、ほぼ35インチになるという。(c)AFP