【3月30日 AFP】経済協力開発機構(OECD)は29日、2012年上半期の先進7か国の経済見通しを発表した。安定した成長が見込まれるが、欧州諸国は米国に後れを取る見通しだ。

 OECDは、財政危機や欧州債務危機からの回復を背景に、米国の上半期の国内総生産(GDP)伸び率(年率換算)を前回予測の1.7%から2.8%に上方修正するなど、おおむね明るい見通しを示した。だが、ユーロ圏の債務危機が解消していないことや原油価格上昇によって、成長は脆弱(ぜいじゃく)さを伴うとみている。

 米国の成長率については、第1四半期を1.7%から2.9%へ、第2四半期を1.9%から2.8%へ、それぞれ上方修正した。ドイツについては第1四半期をマイナス0.3%から0.1%に引き上げた。第2四半期は0.8%から約2倍の1.5%に引き上げた。

 フランスは「おおむね横ばい」で、イタリアは工業生産の低迷や消費者心理の悪化を背景に、2012上半期は景気後退に陥る可能性があるとしている。

 日本は、前年の東日本大震災や円高の影響からの回復を背景に、第1四半期の成長率見通しを3.4%へと大幅に上方修正した。第2四半期は1.4%の見通し。(c)AFP/Francesco Fontemaggi