【3月27日 AFP】独自動車メーカーのアウディ(Audi)は、インド市場向けの自動車に特製クラクションを付けている。大混雑する道路を走る地元ドライバーがクラクションを鳴らしまくるからだという。

 アウディ・インディア(Audi India)のミヒャエル・ペルシュケ(Michael Perschke)代表は、26日付のインド紙ミント(Mint)に「インド向けのクラクションはそれ自体が1つのカテゴリーになっている」と語った。

「欧州のクラクションを持ち込めば、1~2週間で壊れてしまうだろう。ムンバイ(Mumbai)では毎日、平均的なドイツ人が1年間に鳴らす回数を鳴らしている」(ペルシュケ氏)。

 そのため、アウディはインドの運転環境に対応したクラクションを提供している。「(インド用の)クラクションは試験方法も異なる。2週間連続でクラクションを鳴らし続ける。クラクションの設定や納入業者も異なる」

 さらに、インドのアウディ所有者の多くは運転手を抱えているので、「後部座席から指揮しやすいように」車の内装もデザインし直したという。

 インドの道路は補修状況が悪いことが多く、幹線道路にも深いくぼみがあり、市街地に未舗装の道路もある。自動車にくわえ荷車やウシ、人力車、自転車が道路にひしめき合っている。

 インド国家犯罪統計局(National Crime Records Bureau)によると、2010年には13万3938人以上が交通事故関連で死亡した。1日あたり約366人の計算になる。(c)AFP