【2月14日 AFP】米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's Investors Service)は13日、イタリア、スペイン、ポルトガル、スロベニア、スロバキア、マルタの国債の格付けを引き下げ、フランス、英国、オーストリアの格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」とした。欧州危機への対応が先行き不透明との理由から。

 格下げ後の各国の格付けはスロベニアとスロバキアが「A2」、イタリア、スペイン、マルタが「A3」、ポルトガルが「Ba3」とされた。これまでの格付けからスペインは2段階、その他の国は1段階引き下げられた。

■仏・英・墺は見通しネガティブ

 フランス、英国、オーストリアはいずれも最上位格付けの「AAA」を維持したが、今後条件が悪化すれば格下げする恐れもあるとされた。

 今回の格下げについてムーディーズは、ユーロ圏の債務危機によって、これら9か国は財政およびマクロ経済上のリスクを受ける恐れが増大していると指摘した。また欧州の景気見通しが悪化して、競争力の強化に必要な各国の財政緊縮策と構造改革が実施できない恐れがあるとの見方を示した。

 ムーディーズはまた、ユーロ圏の機構改造の実施、さらには危機に対応するために必要なリソースが集まるのか疑問を呈した一方、通貨統合の維持と市場の信認回復に必要な改革の実施に向けた欧州各国政府などの取り組みを勘案して格下げ幅は制限したと述べた。(c)AFP