【1月26日 AFP】アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は25日、世界経済フォーラム(World Economic Forum)年次総会(ダボス会議)の開幕演説で、ユーロ圏を救うためにドイツがこれ以上の犠牲を払うことは難しいとの姿勢を明確に示した。

 ユーロ圏加盟国と国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は、期間限定の「欧州金融安定化基金(EFSF)」と無期限の欧州安定メカニズム(ESM)を統合して支援額を増額し、ユーロ圏の財政危機国の支援を後押しするよう呼びかけている。また、イタリアのマリオ・モンティ(Mario Monti)首相は同日、ドイツが欧州の財政危機においてさらに大きな役割を担うよう期待すると発言した。

 しかしメルケル首相は、ドイツはあくまで困窮するユーロ加盟国を援助することしかできないと牽制(けんせい)。「かねてから、ユーロのために出来ることはすると我々は明言してきた。しかし、実現できない公約を立てるよう圧力をかけられることは望まない」と述べ、欧州第一の経済大国であっても何もかも実現できるわけではないと語った。

「例えば、もしドイツが加盟国を代表して何かを約束しても、市場に大きな変動が発生したときに実現不可能となれば、私たちにもう、なすすべはない」 (c)AFP/Andre Lehmann