【12月15日 AFP】スーパーマーケットの棚は空っぽ、価格はうなぎ上り――。ノルウェーでバターが品薄になり、クリスマス伝統の焼き菓子が作れないと人々が気をもんでいる。

 ノルウェー乳製品大手TINEによると、不足しているバターは500~1000トンで、品薄状態は1月まで続くとみられるという。インターネット上では500グラムを350ユーロ(約3万5500円)で販売する業者も現われた。

 ノルウェーではクリスマスに7種類以上のビスケットやクッキーを焼く伝統があり、バター不足は頭の痛い問題だ。前週9日にはスウェーデンとの国境沿いの税関で、90キログラムのバターを車に隠して密輸しようとしていたロシア人が見つかった。

 夏の天候不順で飼料作物の生産量が減ったため乳製品の生産量が落ちたことに加え、低炭水化物・高脂肪ダイエットが流行してバター需要が高まったことが今回の品薄につながったと指摘されている。TINE広報はAFPの取材に対し、「2010年に比べて需要は30%ほど伸びている」と語った。(c)AFP