【12月12日 AFP】フランス・パリ(Paris)の証券取引所を運営するNYSEユーロネクスト(NYSE Euronext)は12日、仏原子力大手アレバ(Areva)が取引開始直前に行った要請を受け、同日の同社株の取引を停止した。

 アレバは12日中に多額の損失計上と人員削減計画を明らかにするとともに、国際事業の再建に向けた経営戦略を発表するとみられる。

 エリック・ベッソン(Eric Besson)仏産業・エネルギー・デジタル経済担当相は前日の11日、「今週アレバは損失を発表する。かなりの額になる可能性が高い」と発言していた。報道によれば、アレバは多額の特別損失を計上する予定で、結果として10年ぶりの赤字に転落する見通しだ。

 アレバは原発分野で世界をリードする企業だが、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故を受けてドイツなど一部の国で脱原発への転換が起きたことから、原発業界の今後の見通しは陰りをみせていた。

 消息筋は前月AFPに対し、アレバは2015年までに人員を2700人以上、投資額を40%削減して年7億5000万ユーロ(約780億円)以上の経費節減を行う予定だと語っていた。

 この報道に対し、アレバとアレバ株の大半を保有するフランス政府は、人員削減の大半は2022年末までに原発を全廃することを決めたドイツでの事業になる可能性が高く、フランス国内の雇用が失われることはないと述べていた。(c)AFP

【関連記事】仏アレバ、今年の赤字最大で1600億円に