【11月4日 Relaxnews】米国でブドウ糖果糖液糖(HFCS)が問題視される中、新興経済国では砂糖の需要が増大し、世界規模で砂糖不足を招いて、甘党の消費者泣かせとなっている。

 調査会社ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)は前週、国際砂糖機関(International Sugar OrganizationISO)によると世界の砂糖需要は今年、2期連続で供給量を上回り、不足分は1500万トンに上るとの報告を発表した。ISOによれば在庫量は極めて少ないため、来年の収穫を経ても備蓄を健全なレベルまで回復することはできないだろうという。

 砂糖不足の原因はメキシコやブラジル、オーストラリア、タイといった主要産出国が干ばつや洪水などの悪天候に襲われたことが挙げられる。

 この間、米国ではマイケル・ポーラン(Michael Pollan)氏など著名なフードライターや食の専門家たちが、自然の砂糖よりも加工度が高く人体により有害だと非難したことで、甘味料のブドウ糖果糖液糖はすっかり悪者となってしまった。人工甘味料離れが進み、値段は高くてもテンサイ糖やショ糖への回帰指向が高まっているため、砂糖価格の上昇に拍車がかかっている。

 一方、アジアの新興経済国は砂糖需要を限界まで押し上げている。例えば市場が最も急成長しているインドでは2005~10年の5年間で、砂糖と甘味料を合わせた消費量は66%も増えた。この他、ベトナム、アルジェリア、中国といった国で特に需要が増えている。(c)Relaxnews/AFPBB News