【10月23日 AFP】米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は21日夜、リビアの最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が国外に移していた資産の総額が、これまで欧米政府が推測していた額の倍に上る2000億ドル(約15兆3000億円)以上だったと報じた。

 ロサンゼルス・タイムズ紙が匿名のリビア当局高官の話として伝えたところによると、米政府高官は昨春、リビア政権が米国内に370億ドル(約2兆8000億円)相当の預金や投資をしていたことを知ってあぜんとした。米当局はただちに、カダフィ政権が資産を移す前にこれを凍結したという。

 また、この資産とは別に、フランス、イタリア、英国、ドイツの各国政府が約300億ドル(約2兆3000億円)の資産を管理下に置いている。これまで、カダフィ大佐は世界のどこかに300億ドルを隠しているとされ、総額は1000億ドルほどだろうと推計されていた。

 だが、ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、米国と欧州、リビア当局による追加調査で、カダフィ大佐が、過去にさらに数百億ドルを秘密裏に国外に投資していたことが明らかになったという。投資は中東や東南アジアを中心に、世界のほぼすべてのの主要国に対して行われ、ときに利益の大きい投資もあった。

 資産の大半は、リビア中央銀行やリビア投資庁(Libyan Investment Authority)、リビア外国銀行(Libyan Foreign Bank)、リビア国営石油公社(Libyan National Oil Corporation)、リビア・アフリカ投資ポートフォリオ(Libya African Investment Portfolio)などの政府機関の名義をとっていたが、カダフィ一家であればこれらの資金にアクセスすることができたと同紙は指摘した。(c)AFP

【関連記事】カダフィ氏、日本に資産3500億円 日本政府が凍結