【10月14日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は13日、経済の先行きが不透明な中でコスト削減を図るためとして、自社の記者から10人以上の希望退職者を募ることを明らかにした。

 AFPは、ジル・エイブラムソン(Jill Abramson)編集主幹から社員らにあてた社内メモを入手した。メモは「ニュース編集部内で、自主的退職者を募る機会を限定的に設けることを本日、発表する。『限定的』が意味するところは、この提案について現時点で自分に経済的利益になると考え自発的に手を挙げる者を、20人未満で募るということだ」と呼び掛けている。

 エイブラムソン編集主幹は、呼び掛けに応じるかどうかはあくまで自発的な選択に任せるもので、新聞労組の組合員にも非組合員にも等しく適用されると強調。「手を挙げる者が何人いるかにかかわらず、またたとえ誰も手を挙げなかったとしても、組合員も非組合員も今回の措置で解雇されることはない」と述べている。

 また、編集部内で「減員できないとわれわれが判断する」部署から希望退職者が出た場合には、会社側にその希望を却下する権利があることを注記している。 

 さらに、「タイムズ紙のジャーナリズムと記者たちに誠実であろうとするわが社の姿勢に変わりはないが、不透明な経済情勢によってタイムズ紙は厳しい課題に直面し続けている。それはデジタル時代において、わが社のビジネスを立て直しつつ、われわれの本領である質の高いジャーナリズムを確固として守るという課題だ」と述べている。(c)AFP