【8月31日 AFP】英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は30日、中国の不動産投資家で元政府高官の黄怒波(Huang Nubo)氏がアイスランドに300平方キロの土地を取得するための仮契約を結んだと報じた。

 黄氏は、1億ドル(約77億円)を投じるエコツーリズムプロジェクトの一環として、ゴルフコースなどを建設したい考えだという。

 ただし、アイスランドのオグムンドゥル・ヨーナスソン(Ogmundur Jonasson)内相は、土地には国有地が含まれており、国有地の海外事業体への売却は法律で禁止されていると話している。特別な免除を受けるには、取得する人物がまず内務省に書簡で訴える必要があるが、そのような書簡は受け取っていないという。

 アイスランドは欧州・北米間の戦略的に重要な位置を占めており、気候変動で北極の水路が海運業に開かれた場合には是非アジアの貨物船のハブ港にと政府が宣伝してきた。

 米経済誌フォーブス(Forbes)の2010年長者番付で、黄氏は総資産額8億9000万ドル(約680億円)で中国人では161位につけた。同氏が創設した中坤集団(Zhongkun Group)は、中国国内と世界各地にリゾートや観光施設を所有している。(c)AFP