【8月6日 AFP】米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、米国の財政赤字と政策決定プロセスの問題点などを理由に、米国債の格付けを「AAA」から「AA+」に1段階引き下げた。S&Pはさらなる格下げの可能性もあるとしている。

 米国債の格付けが引き下げられたのは米大手格付け会社ムーディーズ(Moody's)が1917年にAAAを付けて以来、史上初めて。S&Pは1941年から米国債に格付けを付けていた。

 米政府・民主党と共和党は2日、数か月の交渉を経て、米連邦債務上限引き上げで合意したばかりだった。長期化した交渉は2008年の世界的な経済危機から完全には回復しきっていない世界経済に不安を与えた。

 米国債の格下げは、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領政権と米国にとって象徴的な失点だといえる。今後は米政府の資金調達コストが上がる可能性がある。米ドルと米国債は世界の貿易と金融で中心的な役割を果たしており、米国債の格下げは理論的には、すでにユーロ圏の経済危機の打撃を受けている世界経済を揺るがす恐れもある。

 しかし、専門家の中には、格付け会社の信頼性は低いと指摘し、格下げによって米国債の需要に影響が出たり、市場が大きく反応したりすることはないのではないかと考えている人もいる。

 ムーディーズと米大手格付け会社のフィッチ(Fitch)は、2日にオバマ大統領が連邦債務上限を引き上げる法案に署名した直後、米国債の格付けを「AAA」に維持すると発表した。両社はこの格付けを維持できるか、引き続き米国の財政政策に注目していくとしている。(c)AFP/Hugues Honore and Paul Handley