【7月16日 AFP】ストレスを減らし、元気を取り戻すためにはランチタイムの昼寝、「シエスタ」をとるのが良いとドイツの労組幹部が発言した。実現すれば強い労働倫理で知られるドイツとしては画期的なことになるとみられる。

 この週末に独紙ターゲスツァイトゥング(Tageszeitung)に掲載される記事で、ドイツの労組の全国組織、ドイツ労働総同盟 (DGB)のアネリー・ブンテンバッハ(Annelie Buntenbach)執行委員が「短時間の昼寝は、心臓発作のリスクを減らし、エネルギーの再充電に役立つ」と昼寝の効用を説明した。

 またブンテンバッハ氏は、電話やEメールといった通信手段によってもたらされた、歴史上類のない作業ペースの速さについても議論の必要があると述べている。またレーゲンスブルク大学(University of Regensburg)の睡眠の専門家は同紙に対し、産業革命前はドイツ人もシエスタを取っていたと語った。

■昼寝で心臓関連の死亡リスク減少との研究も

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は先ごろ、債務に苦しむ南欧の国々は、ドイツ人より働いていないのではないかと批判的な発言をした。

 しかし、経済協力開発機構(OECD)が2010年に発表した統計によると、年間平均労働時間はドイツ人の1390時間に対し、ギリシャ人は2119時間、イタリア人は1773時間と、ドイツ人のほうが少なかった。

 ギリシャのアテネ大学(University of Athens)医学部と米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)によるギリシャ人に関する最近の研究では、30分の昼寝を週に3回以上とっている人は、昼寝をしない人に比べ、心臓関連の問題で亡くなるリスクが37%低かった。(c)AFP