【6月9日 AFP】北朝鮮と中国は8日、国境を流れる鴨緑江(Yalu River)の河口にある北朝鮮領の中州「黄金坪(ファングムピョン、Hwanggumpyong)」を経済特区として共同開発することで合意し、着工式を行った。北朝鮮が中国型の経済開放政策に踏み切ったしるしとも受け止れる。韓国の聯合(Yonhap)ニュースが伝えた。
 
 北朝鮮は、黄金坪に自由貿易圏を設置するための特別法を制定し、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が中国視察から帰国した数日後の6日には、2つの中州を経済特区にすると発表していた。

 中国は統制経済で国が疲弊している北朝鮮に対し、中国型の経済開放政策を導入するよう強くすすめてきた。金総書記が先ごろ行った中国視察についても、中国の温家宝(Wen Jiabao)首相の言によれば、中国のめざましい経済発展を学んでもらい、自国経済の発展に生かしてもらおうとの期待を込めて、金総書記を招待したものだという。

 中国は、北朝鮮への投資に前向きで、積極的に機会を探ってきた。

 北朝鮮政府はこれまで、経済の開放には慎重姿勢をとり続けてきた。アナリストらは、背景には、経済改革が政権崩壊を招くとの危惧があると指摘している。(c)AFP