【4月10日 AFP】英ウィリアム王子(Prince William)とケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんがロンドン(London)のウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)で挙式する今月29日は英国で祝日となるが、アナリストたちによると「ロイヤル・ウェディング」による経済効果はさほどなく、経済にはかえってマイナスだという分析さえある。

 英調査会社バーディクト(Verdict)が見積もる国内経済へのロイヤル・ウェディングの直接的な効果は6億2000万ポンド(約860億円)。別の調査機関センター・フォー・リテール・リサーチ(Centre for Retail Research)と通販サイトKelkooによる調査では、5億2700万ポンド(約730億円)程度の消費の押し上げを見込んでいる。

 市場調査・分析会社IHSグローバルインサイト(IHS Global Insight)の英国担当チーフエコノミスト、ハワード・アーチャー(Howard Archer)氏はロイヤル・ウェディングによって「多少の祝賀気分による効果はあるだろうが、つかの間のものだろう。祝賀関係の記念品や、ストリート・パーティー用の食品やアルコール飲料の売れ行きはいくらか上がるだろう」と見るが、それよりも「祝日が1日増えたことによる経済への打撃もあるだろう」と語る。

 英投資会社インベステックのエコノミスト、フィリップ・ショー(Philip Shaw)氏は、祝日が1日増えることで、ロイヤル・ウェディングは英経済にとってマイナスだとまで言う。大半の労働者が休むことで、第2四半期の国内総生産(GDP)は0.25%減となると予想する。同社では、ウィリアム王子の祖母、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の即位50周年にあたった2002年にも、1日祝日が増えたことで成長にマイナス影響があったと指摘している。(c)AFP/Ben Perry