【3月4日 AFP】仏自動車大手ルノー(Renault)の電気自動車(EV)に関する機密情報が漏れたとされる問題を調査する警察当局は3日、「産業スパイ」を示す形跡は何も見つかっていないと語った。

 調査に詳しい筋がAFPに語ったところによると、ルノーの機密情報を漏えいしたとして解雇された3人の幹部について同社が提出した証拠の弱さに、情報当局は「驚いている」という。

 解雇された幹部らが保有していたとされるスイスの銀行口座の形跡も見つからず、ルノーの内部調査班が偽の口座番号を、解雇された幹部らと対立する別の幹部につかまされた可能性を指摘している。

 リヒテンシュタインの警察の捜査当局に近い筋は、3人が情報漏洩の見返りとして金銭を受け取っていたとされる銀行口座は存在しなかったと話している。

 解雇された3人の幹部は調査の失敗に安堵感を示した一方、ルノーに対し、名誉毀損と不当解雇で損害賠償を要求した。(c)AFP/Djallal Malti