【2月17日 AFP】米フロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)知事(共和党)は16日、オバマ政権が米国の競争力と経済成長復興の目玉として推進していた同国初の高速鉄道計画を事実上、拒否した。

 スコット知事は、タンパ(Tampa)~オルランド(Orlando)間135キロを結ぶ高速鉄道計画について、フロリダ州が負担するコストが大き過ぎることを理由に、連邦政府からの補助金27億ドル(約2250億円)の受け取りを拒否する意向を示した。同州知事室は「慎重に検討した結果、リック・スコット知事はレイ・ラフード(Ray LaHood)米運輸長官に、オバマ大統領のタンパ~オルランド高速鉄道計画を拒否するとの州の決定を伝えた」と声明で発表した。

 2日前にはバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が、議会に提出した予算教書の中で、米国経済を回復しインフラ競争力を強化するための柱として、高速鉄道建設に数十億ドルを投資する必要性を強調したばかりだった。

 大規模な高速鉄道計画の着手に不可欠な連邦助成金を拒否した州知事は、この3か月間で3人目で、全員共和党所属。フロリダ州に先だってオハイオ(Ohio)州とウィスコンシン(Wisconsin)州の知事も、財政不足を理由に、前任の民主党知事が同意していた高速鉄道計画を中止した。共和党はオバマ政権の予算の膨大な赤字を非難しており、スコット知事も声明でホワイトハウスの「使い過ぎ」を攻撃している。(c)AFP